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【症例】免疫介在性好中球減少症(IMN)のフレンチブルドック

症例提供:久末 正晴教授(麻布大学附属動物病院)

免疫介在性好中球減少症(IMN)のフレンチブルドックに対し、フアイア糖鎖TPG-1の併用によりステロイドの超低用量化(0.15 mg/kg)と炎症抑制を達成した一例

 

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糖鎖製剤(TPG-1)使用概要

投与量

投与期間

2倍量

約400日

※犬猫用フアイア製品として

症例基本情報

  • 品種: フレンチ・ブルドッグ
  • 性別: 去勢雄
  • 年齢: 4歳
  • 体重: 7.5kg(BCS 3/5)
  • 主訴: 重度の白血球減少

症例概要

    【診断プロセス】 

    初診時の血液検査にて、好中球数が160/μL(正常値:3,000-11,400)と著明な減少を認め、CRPも20 mg/dLを超える重度の全身性炎症状態であった。骨髄検査により「骨髄球系細胞および赤芽球系細胞の過形成」が確認されたことから、骨髄での産生能は維持されており、末梢における免疫介在性の破壊機序が疑われたため、免疫介在性好中球減少症(IMN)と診断した。

    【初期所見】

    • 血液検査: WBC 2,240 /uL、Neu 160 /uL、CRP >20 mg/dL。
    • 骨髄所見: 顆粒球系および赤芽球系の過形成(破壊に伴う代償性変化)。

    治療経過・併用戦略

    治療の主軸は免疫抑制療法であるが、免疫抑制療法への反応が乏しく困難な状況下であった。

    【治療プロトコル】

    1. 初期治療: プレドニゾロン 0.5 mg/kg SIDおよびミノマイシンにより開始。
    2. TPG-1導入(Day 36): ステロイドを0.25 mg/kgへ減量するタイミングで、免疫バランスの安定化を目的にフアイア糖鎖TPG-1を導入。
    3. 維持・減量戦略: フアイア糖鎖TPG-1投与後、好中球数は再燃することなく上昇・安定。Day 64からはプレドニゾロンをさらに0.15 mg/kg SIDまで減量。

    臨床経過・データ推移

    • 血液学的評価: フアイア糖鎖TPG-1導入後、好中球数は順調に推移し、Day 64には一時的なスパイクを認めた。その後も数値が維持(2,000/μL以上)している。
    • 副作用・QOL: プレドニゾロンを0.15 mg/kgまで下げられたことで、ステロイドの多飲多尿や肝酵素上昇などの副作用を抑えられ、病態も維持できている。

    【主要な経過データ抜粋】

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    考察

    本症例は、IMNのような「感染リスクと隣り合わせの免疫抑制療法」において、フアイア糖鎖TPG-1が免疫抑制薬の併用の一つの選択肢になり得る可能性を示唆しています。本症例のように、免疫抑制剤に対して反応が芳しくない場合、選択肢の一つとなる可能性があります。