【症例】IMHAのペルシャ
症例提供:埼玉県内 動物病院(獣医師)
若齢猫における標準治療抵抗性のIMHAに対し、糖鎖製剤(TPG-1)の併用によりステロイド休薬と長期寛解を達成した一症例

糖鎖製剤(TPG-1)使用概要
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投与量 |
投与期間 |
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3倍量 |
28日 |
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2倍量 |
14日 |
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1倍量(1杯/日) |
137日以上 |
※犬猫用フアイア製品として
症例基本情報
| 品種・性別 | ペルシャ(チンチラ)、雄(未去勢) |
| 年齢・体重 | 初診時(2024/06/28:day1) 0歳10ヶ月、3.0 kg(その後4.3 kgまで増加) |
| 既往歴・治療歴 | 他院にて貧血を指摘され、プレドニゾロン(PSL)およびシクロスポリン(CsA)による免疫抑制療法を受けるも改善が認められず当院転院。 |
| 主訴 | 2週間前からの元気消失、重度の貧血。 |
症例概要
【診断プロセス】
初診時(Day 1:2024/6/28)、顕著な頻呼吸と可視粘膜の蒼白が認められました。
血液検査にてPCV 11.1%(基準値:30.0-45.0%)、Hb 3.6 g/dl(基準値:8.0-15.0 g/dl)と、生命に危険が及ぶ極重度の貧血を確認。血液塗抹では多染性赤血球の顕著な増加(再生像)が認められ、感染性や中毒性の除外を経て「特発性免疫介在性溶血性貧血(IMHA)」と確定診断しました。
治療経過・併用戦略
治療を「標準治療期」と「フアイア糖鎖TPG-1併用による減薬・維持期」の2フェーズに分けて実施しました。
Phase 1:標準治療期(Day 1〜Day 186)
PSL(2.0mg/kg SID)とCsA(8mg/kg SID)の併用を開始。PCVは一時35.7%まで回復しましたが、Day 88にPSLを週2回まで減薬した際、PCVが30.8%へ低下し貧血の再燃の兆候が認められました 。
標準治療薬のみでは休薬が困難である「ステロイド依存性(減薬抵抗性)」の病態である可能性が強く示唆されました。
Phase 2:フアイア糖鎖TPG-1併用期(Day 186〜)
再度のステロイドの減薬を進める中で追加の免疫抑制剤の提案も進めたが、副作用の観点から採用するのが難しく、免疫バランスの是正を目的としてフアイア糖鎖TPG-1の併用を開始。併用開始後、PCVは速やかに安定へと向かい、Day 200前後にはPSLの完全休薬に成功しました。その後、維持期にかけてはPCV 40%以上(最大50.2%)の良好な数値を維持しながら 、CsAもTIDまで段階的に減薬することが可能となりました。
臨床経過・データ推移
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Day |
PCV (%) |
Hb (g/dl) |
プレドニゾロン |
フアイア糖鎖TPG-1 |
備考 |
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1 |
11.1 |
3.6 |
2.0 SID |
- |
治療開始 |
|
6 |
22.8 |
6.8 |
2.0 SID |
- |
改善傾向 |
|
11 |
31.0 |
9.7 |
1.5 SID |
- |
|
|
79 |
35.7 |
12.6 |
1.5 週2回 |
- |
プレドニゾロン減薬 |
|
88 |
30.8 |
10.9 |
1.5 SID |
- |
貧血再燃、薬剤増量 |
|
95 |
33.0 |
11.5 |
1.5 SID |
- |
|
|
158 |
33.4 |
11. |
0.75 TOD |
- |
|
|
186 |
36.9 |
12.8 |
0.75 TOD |
3 |
フアイア糖鎖TPG-1併用開始(3倍量) |
|
200 |
36.9 |
12.8 |
休薬 |
3 |
プレドニゾロン休薬 |
|
214 |
42.7 |
13.3 |
休薬 |
2 |
PCV著明改善、Csp減薬 |
|
228 |
40.3 |
11.5 |
休薬 |
1 |
フアイア糖鎖TPG-1減量(2倍量→1倍量) |
|
365 |
38.0 |
12.7 |
休薬 |
1 |
Cspをさらに減量 |
【推移グラフ】
考察
本症例は、多剤併用下でもステロイド離脱が困難であったIMHAに対し、フアイア糖鎖TPG-1が「ステロイドの減薬・休薬をサポートする補助療法」として有効に作用した可能性が示唆されます。
導入の意義:強い副作用リスクがある二次免疫抑制剤(ミコフェノール酸等)の使用を回避したいというオーナー様の意向に対し、安全性と免疫調整作用を兼ね備えたフアイア糖鎖TPG-1が一つの選択肢となりました。
QOLの向上:ステロイド休薬により副作用(免疫低下への不安、代謝への影響)を回避でき、CsAの減量に伴い軟便も解消されました。体重が1.3kg増加したことは、単なる血液数値の改善だけでなく、生体のコンディションが根本から底上げされた結果と考えられます。
今後の展望:IMHAのような免疫暴走状態から、Th1/Th2バランスを整えて正常な免疫応答へ誘導する本アプローチは、アトピー性皮膚炎や膿皮症といった皮膚科領域における応用可能性も示唆されます。
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