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【症例】犬の慢性皮膚徴候に対するフアイアの併用効果:オープンパイロットスタディ

ながたの皮膚科道場門下生および研究参加希望施設による給与試験結果のまとめ

犬の慢性皮膚疾患、特に難治性の痒みや脱毛、増殖性病変に対する新たな補助療法の選択肢として、フアイア糖鎖TPG-1を含有する犬猫用フアイア製品の効果検討試験が行われました。

本試験は、皮膚科専門医および一般臨床医による実地使用に基づき、多角的な視点からその有用性を評価したものです 。

1. 試験の目的とデザイン

試験目的

犬の慢性皮膚徴候(発赤、鱗屑、脱毛、痒みなど)に対する犬猫用フアイア製品の投与効果を検討する

試験デザイン:Open Pilot Study

試験 A:一般クリニックにおける有効性評価
対象 慢性皮膚徴候のある犬
施設 ながたの皮膚科道場門下生および研究参加希望施設
試験 B:皮膚科専門医による実地使用
対象 専門医が有効性を検討したいと判断した様々な徴候、または飼い主が希望した事例
施設 動物アレルギー検査センター(ASC)、たむら動物病院、動物病院京都など

 

試験概要

試験製品 犬猫用フアイア製品
投与量 規定の2倍量(腫瘍再発予防では3倍量も可)
投与期間 3ヶ月間
組入基準 体重10kg未満、重大な基礎疾患がない、他治療との併用を認める

 

2. 試験結果の概要

各症例は併用治療が主体であり、犬猫用フアイア製品の単独治療例はありませんでした

① 痒みを訴えていた症例(合計13症例)

有効率

試験 A:22.2%(2/9例)
試験 B:25.0%(1/4例)

主な成果 有効例では、併用薬(サイトポイント、アポキル等)の投与間隔延長や、エリザベスカラーが不要になるなどの改善が見られました 。また、バリカン負けの改善に要する時間の短縮傾向も確認されました
考察 トイ・プードルの非特異的な痒みに対する併用効果が期待されましたが、アトピーや脂漏などの「体質」に起因する痒みへの明らかな効果は認められませんでした

【バリカン負け】

  

左:バリカン使用直後 右:1週間後

② 脱毛を訴えていた症例(合計8症例)

有効率

試験 A:33.0%(1/3例)
試験 B:60.0%(3/5例)

主な成果 膿皮症や脊椎症を併発する血管症、休止期脱毛に対し、アドナ(カルバゾクロム)やカルトロフェンベットとの併用において育毛・被毛の伸長傾向が確認されました
考察 多角的な治療(抗菌薬、洗浄、他剤)が行われている中での改善であり、犬猫用フアイア製品単独の育毛効果については不明ですが、補助的な効果が期待されます
【膿皮症】 
  
左:治療前 右:治療3ヶ月後
【脱毛症X】
 
左:治療前 右:治療3ヶ月後
 

③ 増殖性病変を訴えていた症例(試験B:5症例)

有効率

50%(2/4例 ※評価可能例中)

主な成果

中耳ポリープ: プレドニゾロン(PSL)を休薬しても、処方後に消退を確認

上皮系悪性腫瘍(SCC等): PSLとの併用下で明らかな転移や悪性挙動の抑制を確認

表皮嚢腫: 明らかな増数や増大は認められず、現状維持

考察 悪性腫瘍の浸潤抑制やポリオープの縮小に対する補助効果が期待されます
 【中耳ポリープ】
 
左:治療前 右:治療3ヶ月後

 

3. 安全性と課題

有害事象

 数例で下痢や軟便などの胃腸障害が認められ一部の症例では投与が中止されました

脱落症例

 胃腸障害のほか、粉末剤の服用拒否による打ち切りが数例発生しています
 慢性疾患を持つ症例において継続的な経口投与の確実性が課題として浮き彫りとなりました

 

4. 結語:皮膚科診療におけるフアイアの立ち位置

今回のオープンパイロットスタディから、以下の結論が導き出されました。

  1. 補助的治療としての有用性:
    皮膚科症例において劇的な単独効果は示されなかったものの、増殖性疾患や血管症に伴う育毛障害において、他剤との併用による補助的な治療効果が期待されます  

     

  2. 非特異的な痒みへのアプローチ:
    従来の抗炎症療法だけでは管理しきれない非特異的な炎症・痒みに対するサポート的な役割が興味を持たれました

  3. 今後の展望:
    詳細な有効性の評価や適応症例の絞り込みには、さらに大規模な比較対照試験が必要です