【症例】トリコモナス症のボーダーコリー
症例提供:愛媛県内 動物病院(獣医師)
難治性の消化器症状とトリコモナス感染症に対し、抗原虫薬・療法食に加え、フアイア糖鎖TPG-1の併用アプローチを行い、便の正常化およびトリコモナスの消失が認められた症例。
フアイア給与概要
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給与量 |
給与期間 |
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1倍量 |
60日間 |
症例基本情報
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品種 |
ボーダーコリー |
| 年齢/性別 | 生後約3ヶ月(2025年10月2日生)/ 雄 |
| 体重 | 12kg |
| 初診日 |
2026年1月23日 |
| 主訴 |
お迎え後2週間続いている下痢 |
| 既往歴/背景 |
特記事項なし |
症例概要
【検査・診断】
初診時の糞便検査にてトリコモナスを検出し、トリコモナス症と診断がされた。
【課題の特定】
標準治療を行ったところ1週間の治療経過で下痢症状の緩和は軽度にとどまり、糞便中のトリコモナスが消失せず、下痢が続き、原虫を排除しきれないことへの対策が課題となった。
治療経過・併用戦略
標準治療:
初診時より、メトロニダゾール(25mg/kg, BID, 7days)の投薬、および療法食(消化器サポートパピー)による標準治療を実施した。7日間の治療後、メトロニダゾールの処方は行われていない。
独自の工夫:
標準治療を行ったところ、糞便中にトリコモナスが消失しなかったため、治療開始のDay14頃より、フアイア糖鎖TPG-1の給与を開始した。
目標設定:
外部からの駆虫薬に頼るだけでなく、宿主自身の免疫力を向上させることで腸管環境を整え、難治性のトリコモナス排除と今後の再発予防(QOLの改善)を目指した。
臨床経過・データ推移
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Day |
フアイア糖鎖TPG-1の給与量 |
便の状態・症状 |
トリコモナス |
治療内容 |
備考/状態 |
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0 |
- |
下痢(2週間継続) |
陽性(検出) |
メトロニダゾール(25mg/kg, BID)、療法食開始 |
メトロニダゾールは7日間処方 |
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7 |
- |
軽度下痢 |
陽性(消失せず) |
メトロニダゾール終了(以降処方なし) |
症状改善が乏しく原虫残存 |
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14 |
1 |
軽度下痢 |
陽性(検出) |
フアイア糖鎖TPG-1開始 |
フアイアを糖鎖TPG-1開始 便が固まり始める |
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44 |
1 |
正常化 |
陰性(消失) |
フアイア糖鎖TPG-1継続 |
定期診察 |
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74 |
- |
正常維持 |
陰性維持 |
フアイア糖鎖TPG-1終了 |
フアイア糖鎖TPG-1を2ヶ月ほど継続後に終了 |
【変化の要約】
抗原虫薬の単独投与では原虫を排除しきれず下痢が続いていた状態から、Day14よりフアイア糖鎖TPG-1の併用を開始したところ、便が固まり始めた。定期診察において便の状態が完全に正常化し、便検査でもトリコモナスが認められなくなった。約2ヶ月間の糖鎖TPG-1投与を経て現在は給与を終了しているが、再発は見られず正常な状態を維持しており、QOLの改善が認められる。
考察
治療のポイント:
幼齢の犬におけるトリコモナス症は、時に抗原虫薬単独の治療に抵抗性を示し、長引く下痢が動物と飼い主様双方の負担となる。また、メトロニダゾールの治療が奏功しない場合、そのほかの治療薬(ロニダゾール等も)考慮に入れる必要があり、対応に苦慮するケースも一定数存在すると考えられる。
本症例では、病原体を直接標的とする標準治療に加え、療法食の継続とフアイア糖鎖TPG-1の併用による「宿主の腸管免疫を調節する」という内側からのアプローチを取り入れたことが、症状の改善に寄与した可能性が示唆される。
併用による相乗効果:
トリコモナスの消失とフアイア糖鎖TPG-1給与との因果関係についてはさらなるデータの蓄積が必要であるものの、メトロニダゾール休薬後にフアイア糖鎖TPG-1を開始して便が固まったという経緯から、腸管環境の正常化に寄与した可能性が高いと考えられる。
結語
本症例は、難治性の消化器感染症において、駆虫薬への反応が乏しい場合にフアイア糖鎖TPG-1の併用が有用な選択肢となり得る可能性を示した。併用薬や環境的要因の影響を慎重に精査しつつ、本アプローチの臨床的意義についてさらなる検討を進めることが期待される。