【症例】FIP(ドライタイプ)および慢性腎臓病(CKD)の猫
症例提供:岐阜県内 動物病院(獣医師)
ドライタイプのFIPの症例に対し、抗ウイルス薬とフアイア糖鎖TPG-1を併用し、その後のCKD管理において良好なQOLが認められた症例。
フアイア給与概要
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給与量 |
給与期間 |
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1倍量 |
247日間〜 |
症例基本情報
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品種 |
洋猫 |
| 年齢/性別 | 4歳(初診時)/ 避妊雌 |
| 初診日 |
2025年10月27日 |
| 主訴 | 食欲低下 (FIPと診断され、他院にてインターフェロン注射を数回実施するも回復せず、セカンドオピニオンとして来院) |
| 既往歴/背景 |
既往歴はなし。 |
症例概要
【検査・診断】
Day0の血液検査ではTP 9.0、A/G比 0.47、貧血(Ht 27%)、BUN107.9,Cre 2.93 白血球および単球の高値、FIP抗体価3,200倍、AGP 970と異常値が認められた。
腹部超音波検査を実施したところ、腹水や胸水は認められなかったものの、両側腎臓の皮質拡大(不整結節所見)および髄質の縮小が確認された。
これらの所見から、FIP(ドライタイプ)および慢性腎臓病(CKD)と診断された。

▲左の腎臓の腹部超音波所見

▲右の腎臓の腹部超音波所見
【課題の特定】
前医でのインターフェロン治療に反応せず食欲不振が続いていること、またFIPによる重篤な腎臓の器質的変化が生じており、ウイルスの抑制と並行して腎機能の保護および急速な全身状態の改善が急務であった。
治療経過・併用戦略
導入期:
Day0より、抗ウイルス薬であるモルヌピラビル(15mg/BID(84日間))の投与を開始し、同時に初期の対症療法として皮下点滴およびステロイドを実施した。
調整期:
全身状態の底上げを目指し、治療開始2日後のDay2よりフアイア糖鎖TPG-1を1倍量で開始した。その後、腎数値の推移を踏まえプロネフラを追加した。(のちに難しくなったため休止としている)さらにCKDへの移行に伴って腎臓の血流維持のためベラプラストナトリウムを導入した。
維持期:
抗ウイルス薬の投与終了後も、FIPの再発防止とCKDの進行抑制を目標に、フアイア糖鎖TPG-1とベラプラストナトリウムによる維持療法を継続し、QOLを保っている。
臨床経過・データ推移
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Day |
フアイア糖鎖 (倍量) |
体重 |
BUN |
Cre |
治療内容(薬剤等) |
備考/状態 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
0 |
- |
4.9 |
107.9 |
2.93 |
モルヌピラビル |
食欲不振。 |
|
2 |
1 |
4.8 |
- | - |
フアイア開始 |
|
|
9 |
1 |
5.0 |
76 |
2.29 |
プロネフラ追加 |
食欲改善し状態安定 |
|
87 |
1 |
5.0 |
47.7 |
2.03 |
モルヌピラビル終了 |
FIP寛解 |
|
125 |
1 |
5.2 |
40.4 |
1.94 |
プロネフラ休止 |
順調な体重増加 |
|
247 |
1 |
- |
- |
- |
維持療法継続 |
再発なし、体調良好 |
【変化の要約】
FIPの治療を開始してからわずか数日で食欲の改善が見られ、状態が速やかに安定した。その後も貧血の改善を伴いながら順調に体重が増加(4.8kg→5.2kg)し、無事にFIPの完全寛解を達成した。診断から245日が経過した現在も、活力を保ち良好な状態を維持している。
考察
治療のポイント:
反応が乏しかったFIPドライタイプに対し、抗ウイルス薬(モルヌピラビル)による直接的なウイルスコントロールが全身の免疫調整と活力の回復に繋がったとら示唆られる。今回フアイア糖鎖TPG-1を併用することによる評価は1例であることもあり、必ずしも言い切ることはできないが、今後も知見の蓄積行っていくことが重要だと考えられる。
併用による相乗効果:
抗ウイルス治療を最後まで行うことができ、その後の長期的な腎機能維持・QOL向上に寄与した可能性が示唆される。
結語
本症例は、FIPとCKDを併発した複雑で重篤な病態においても、適切な抗ウイルス治療にフアイア糖鎖TPG-1を組み込むことで、活力回復と長期的な安定が得られる可能性が示唆される。
愛猫の食欲不振や複数の疾患を抱え、治療による体力低下が懸念される飼い主にとって、有効な治療選択肢の一つとなり得る可能性が秘められている。