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【症例】扁平上皮癌の高齢犬

症例提供:大阪府内 動物病院(獣医師)

扁平上皮癌のある高齢犬にフアイア糖鎖TPG-1を給与した一例

症例について

症例は初診時13歳の避妊雌、スピッツ。2020年12月に左上顎の犬歯周囲に腫脹が認められた。翌年4月に、口腔内出血、鼻汁、くしゃみを主訴に他院を受診し、左上顎腫瘤を検出。病理組織検査で扁平上皮癌と診断された。その後、セカンドオピニオンを目的として当院を受診した。

経過と結果

口腔内の腫瘍部分は膨隆および糜爛を呈し、左鼻梁部(歯肉腫瘍の直上)には痂皮・脱毛を認め、腫瘍の鼻腔内への浸潤が疑われた。血液検査において顕著な異常所見は認められなかったため、分子標的薬およびNSAIDsを用いたメトロノミック療法、制酸薬、ならびにフアイア糖鎖TPG‐1の投与を同時に開始した。

アセット 1

写真は、分子標的薬開始後の経過である。腫瘍表面の潰瘍や出血は減少し、不整形であった病変部には平坦化が認められた。

鼻梁部からの出血(二次感染)を認めたため、オルビフロキサシンを追加投与した。

5月末にフアイア糖鎖TPG‐1の給与を一度終了したが、その後、漸次的な食欲低下が認められたため、6月12日にフアイア糖鎖TPG‐1の給与を再開した。

7月には、抗腫瘍薬の副作用と疑われる食欲低下が顕著となったため、同薬の投与を中止した。その後、病状は一進一退の推移を示したが、食欲およびQOLの維持を最優先とし、他材の経口投与が困難な状況下においてもフアイア糖鎖TPG‐1の給与は継続した。最終的に、症例は2022年1月24日に死亡した。

2020年12月 左上顎犬歯周囲の歯肉に腫脹
2021年4月 口腔内出血、鼻汁、くしゃみ
左上顎の腫瘤の細胞診実施
病理検査より扁平上皮がんと診断
5月8日 腫瘍部分は糜爛を呈し、左鼻梁部にも痂皮・脱毛あり
血液検査に異常所見なし
メトロノミック療法、
フアイア糖鎖TPG-1給与開始
5月26日 フアイア糖鎖TPG-1の給与の終了
6月12日 食欲低下、体重減少。フアイア糖鎖TPG-1給与再開
7月4日 食欲減少のため抗がん剤の休止。
7月12日 内服薬を休止、
フアイア糖鎖TPG-1のみ継続し食欲が回復
2022年1月24日 永眠

 

考察と感想

本症例において、フアイア糖鎖TPG‐1は直接的な腫瘍縮小効果をもたらしたというよりも、食欲維持や免疫機能の維持・向上に寄与したと考えられた。特に、給与開始から2週間で局所の発赤が軽減し、食欲の改善およびQOLの向上が認められたことは、有用性を示す特筆すべき経過であった。

本資料は動物医療関係者向けの学術的参考情報です。一般飼い主向け広告ではなく、特定の疾病に対する診断、治療、予防または効果を保証するものではありません。本品は動物用医薬品として承認されたものではありません。無断転載・転送・一般飼い主への配布を禁じます。